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風の便り

船造りの合間に見た事、聞いた事、思った事

ものづくり考(2)

古いが素性の良い艇を入手したと仮定する。この艇を新艇と同程度までに手を入れたいと考えた時、何処から手をつけたらいいのだろうか? どこから始めるにしても、まずこの作業が長時間に亘ることを覚悟する必要がある。ボートにしてもヨットにしても、まず運航上必要な最小限のメンテは、クリアーしなければならない。ボートなら、まずエンジン、ヨットならリグも気になる。船体のキズ等もチェックしたい。操舵装置も同じだ。電気廻りは? こうやって目を皿のようにしてチェックしていくと、気になる個所が次々とでてくるのは必至だ。

プロが、中古艇を整備して売り出そうとする時、まず目に行くのは、いわゆる機能部分である。これらが正常でないと、後からのクレームでひどい場合は引き取らざるを得ない事があるからだ。中古艇というのは、経年によって様々な変調を来たしている。恐らく、FRPから金属部分に至るまで、新品とは見ただけでその違いは明らかだし、機能低下しているのは当り前といえば当り前の話である。

この艇を一生乗りつづけるぞといった強い信念がないとメンテナンスにも実が入らない。「とりあえず…」といった妥協に陥りやすいのは人間の性だろうが、大事な事は、まず「気合い」であり、次に観察、そして実行に移す段取、計画である。

技術的な事は、先人に聞けばよい。中々耳を傾けてくれる職人も少なくなったが、普段から接していれば、そんなに面倒な事ではない。
何から始めようか?と迷う前に、まず観察である。とにかく見て気になった事を全て書き出す。この時点のチェックで、ベテランの力を借りるのは大いに役に立つ。そして工程のより分け、簡単な所から始めようという誘惑にもめげず、しっかりした工程表を作成し、重要度のランクでA、B、C…と振り分けられたら、「ものになる」と確信しても良いのではないか。(続く)
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  1. 2009/03/06(金) 18:54:23|
  2. ものづくり考
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